top of page

​第1話 告白!予行練習・・・


夏樹「告白予行練習だよ」

夏樹(言えない…。怖いよ…。崩れてしまうかもしれない。)

 

優 「…本番は誰にすんの?」

 

優 (俺じゃない…。そうわかった…。こんなにも、あっさりと…。)

 


登校 下駄箱
 

夏樹「優~!おっはよ~!」

優 「あぁ。おはよ。」

 

夏樹「?なになに?何見てんの?」

 

優 「あ、おい!」

 

夏樹「これって…ラブレt(((もごもご」

 

優 「人のもんを勝手に見るな」

 

夏樹「ちぇー( ˘・з・)……行くの?」

 

優 「あぁ、一応な。」

 

夏樹「へぇー、そっか…」


 

体育館裏 ~優side~


後輩「瀬戸口先輩!あのっ!私、瀬戸口先輩のことが………」

 

優 「……ごめんね。君の気持ちは嬉しいけど、それに答えてあげられない…から。」

 

後輩「…そう、ですよね。」

 

優 「ごめん…。」

 

後輩「いえ、自分の気持ちを伝えることができたので、これでも後悔はしていません!来てくれて、
   ありがとうございました!失礼します。」

優 「……自分の気持ちを伝える…か。」

 

優 (もし伝えてしまって、俺は後悔することなくいれるのだろうか……)

 


教室 ~夏樹side~

夏樹「あ!優!おかえ、り…」

 

優 「あぁ。ただいま。」

 

夏樹(顔、赤くなってる…。)

 

夏樹「ねぇ、告白されてきたんでしょ?なんて返事したの?」

 

優 「ん?普通に断ったよ。これから受験もあるしな。」

 

夏樹「ふーん、そっかー。」

優 「なんだよ。」

 

夏樹「えー?べっつにー?」

 

夏樹(…優は、恋とかに興味ない人だと思ってたんだけどなぁ…。
   今回は良かったけど、次はどうなるかわからないよね…。よし。やっぱり言おう。

   今日こそ、告白するんだ!!)

 


下校 下駄箱 ~夏樹side~


夏樹(やばい…超足震えてるし、変な汗かくし、口から心臓飛び出しそうだし…。

   やっぱ、明日に…。
   はっ!だめだ!覚悟を決めなきゃ!……榎本夏樹、只今より作戦を実行します!)

 

夏樹「優!!ちょっと、いいかな?」

 

優 「ん?なんだよ?」

 

夏樹「いきなりで、ごめんね。…ずっと前から、好きでした。」

 

夏樹(言った!言ってしまった!…………優?)

 

優 「……え?」

 

夏樹(え?優、また顔赤い…?優が、照れてる…!?)

 

夏樹(え、あ、どうしよう…。なにか…なにか言わなきゃ…。」

 

夏樹「な…な…」

 

優 「な…?」

 

夏樹「なーんつって!んなわけないじゃーん!びっくりしたー?」

 

夏樹(あ…やっば。やらかした…。

   い、いや!でも、今のはきっと戦略の一つ!…かもしれないし!)

 

優 「夏樹…おまえなぁ。」

 

夏樹(冗談だって、信じてくれた…よね?)

 

夏樹「今のはさ、告白予行練習だよ。」

 

優 「はぁ!?練習!?」

 

夏樹「可愛い?どきっとしたー?」

 

優 「…。」

 

夏樹(なんで…何も言ってくれないの…?)

 

夏樹「そんな顔で見ないでよ。ごめんってば」

 

優 「本気になるよ?」

 

夏樹「……え?」

 

夏樹(心臓が酷く五月蝿い。今のは冗談…?それとも…)

 

優 「なんてな。」

 

夏樹「え?」

 

優 「嘘だよ。仕返し。」(ビシッ!)

夏樹「った!ちょっと優!手加減くらいしよーよー!」

 

優 「お断りー。…んで?本番は誰にすんの?」

 

夏樹「本番?って、告白の?」

 

優 「あぁ。今のは予行練習なんだろ?てことは、他に本命がいるってことだろ?」

 

夏樹(そっか…。予行練習って言ったのは私だ…。

   だけど、優にだけは、「他に本命がいる」なんて、言われたくなかったな…。)

 

夏樹「そんなこと、言えるわけないでっしょ!!!」(ばしっ!)

優 「いってぇ!」

 

夏樹(これからだ。)

 

夏樹「ねーねー!これからも練習付き合ってよ!」

 

優 「…ラーメン奢りな。」

 

夏樹「ケチィ!」

 

優 「この俺で練習できるんだぞ?ありがたく思えよな?」

夏樹「それ、自分で言う?」

夏樹(これからだよ。絶対に、私の気持ちを正直に伝える。)

夏樹(…誰かを好きになるのって、大変なんだね…。

   そして、本当の気持ちを伝えるのは、もっと大変なんだ…。頑張らなくちゃ…ね。)

 

to be continued…

bottom of page